新天地で水を得て根を張る一家の話 『ミナリ』(ネタバレ感想)

新天地で水を得て根を張る一家の話 『ミナリ』(ネタバレ感想)

アカデミー賞ノミネート作品の1本、『ミナリ』が公開されたので鑑賞。
またまたA24とプランBの組み合わせですね。
タイトルのミナリは韓国語でセリ、あの春の七草のセリですね。公式サイトの説明によると「たくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味が込められている」とのこと。

MINARI 2020年米 116分

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ストーリー

1980年代のアメリカ、アーカンソー州の高原に土地を買い、引っ越してきた韓国系移民のジェイコブ一家。荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを目にした妻モニカは不安を抱くが、ジェイコブは農業で成功する姿を子供達に見せたいと、ヒヨコの選別の仕事をする傍ら農業に勤しんでいた。長女のアンと弟デビッドは、少しずつ新しい生活に馴染んでいったが、ジェイコブとモニカは喧嘩ばかり。そんな中、幼い子供達の面倒を見てもらうために、韓国からモニカの母スンジャを呼び寄せる。子供たちは初めて会う祖母の豪快さに驚くが、次第に家族となっていく。

キャスト

ジェイコブに「ウォーキング・デッド」シリーズのスティーヴン・ユァン。モニカにハン・イェリ、スンジャにユン・ヨジョン、アンにノエル・ケイト・チョー、デヴィッドにアラン・キム、ポールにウィル・パットンなど。
監督はリー・アイザック・チョン

ネタバレ感想

チョン監督の子供の頃の話をベースにしている自伝的な話だそう。
1980年代はまだ移民歓迎ムードだったのか、銀行もあっさり融資してくれるし、差別を受けている描写も無い。
銀行で曰くのある土地と言われていたので、何か因果がと思ったけれど、前の所有者が上手くいかず自殺したと言うこと。ウィル・パットンが何か起こすのかなと少々身構えていたけれど、ただの変わり者でした。
(彼にも特別なドラマがありそうだったけれど語られず)
特別なことが起こるわけでは無いけれど、家族にとっては懸命に生きる日々。
子供達に成功する姿を見せたいと農業を始めるジェイコブ、成功しなくても家族が健康で幸せに暮らせれば良いと考えるモニカ、お互いの考えが分かっていながら寄り添えない二人。
人一倍元気だったスンジャが何かに取り憑かれたかの様に倒れ、母と息子の体調を案じて限界のモニカ、もう夫婦一緒には暮らせないと結論を出した時起きる事故で夫婦の絆が甦ります。
川の字に寝る家族を見つめるスンジャは何を思ったのか。

話としては珍しくないけれど、キャストの演技が素晴らしい作品でした。


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