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共に生きる 『オールド・オーク』(ネタバレ感想)

映画の旅

評判の高い『オールド・オーク』、やっと地元で上映されたので観ました。
実はケン・ローチ監督作を観るのは初めて。

The Old Oak 2023年英/仏/ベルギー 113分

ストーリー

2016年イギリス北東部、以前は炭鉱で栄えていた町は今では衰退の一途を辿っている。町民は貧しく他所へ移っていった者も多い。その町の唯一の社交場、パブ「オールド・オーク」の店主TJ・バランタインは、常連客でなんとかパブを維持しているが、町がシリア難民を受け入れたことに常連客は反発。
先行きを危ぶむTJだったが、カメラを持ったシリアの女性ヤラと出会い、思いがけない友情を育くんでいく。

キャスト

TJ・バランタインにデイヴ・ターナー、ヤラにエブラ・マリ、チャーリーにトレヴァー・フォックス、ヴィックにクリス・マクグレード、ローラにクレア・ロッジャーソンなど。
監督は『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』のケン・ローチ

ネタバレ感想

2016年といえば、国民投票で英国がEUからの離脱(ブレグジット)を決めた年。
離脱に賛成した国民の理由はそれぞれあるだろうけれど、移民の増加というのも大きな理由の一つで、この映画を観るとその辺の事情もわかる気がしました。

元は炭鉱で栄えた町は今や衰退する一方、過疎化が進み空き家が多いため移民の受け入れ先となっています。かつては炭鉱ストライキや労働争議で政府や体制と闘ってきた住民でしたが、今や貧しくゆとりがないことからよそ者を受け入れる余裕がなく、差別や排他主義に陥っています。
故郷を追われた人を少しでも助けたい、町に受け入れたいと行動を起こしたTJに対して、制裁として行動を起こすのが同胞なのが卑劣で醜い。
TJの言う「人は苦しい時に身代わりを探す。しかも上ではなく下を見て。自分より弱い連中のせいにする。弱者の顔を踏みつける方が楽だからな。」と言う言葉は、この町だけではなく世界中、そして日本の今の状況にももろに当てはまっていて辛い。

終盤、収容所に入れられていた父親が亡くなったヤラと家族を慰めるために集まった町の人々の多さ、あのチャーリーでさえ来ていることに感動しつつ、TJの行動が無駄ではなかったこと、ヤラと母親が最愛の犬を亡くして悲しむTJを慰めに来たように、他の町の人とも交流をしていたんだろうと想像できます。
団結・連帯することが力になること、その根底には相手を思いやる心があることを描いた作品でした。

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