『デッドマンズ・ワイヤー』を観ました。実話ベースのお話。

Dead Man’s Wire 2025年米 105分
ストーリー
1977年2月8日、トニー・キリシスは不動産ローン会社メリディアン・モーゲージ社に押し入り、自分の首と人質の首をショットガンとワイヤーで固定、ヘタに動けば自動発砲される“デッドマンズ・ワイヤー”という装置を使い、社長の息子リチャード・ホールを人質に取ると自宅アパートに立てこもる。トニーは人気ラジオ番組DJフレッド・テンプルに、メリディアン・モーゲージ社に全財産を騙し取られたと主張し、社長M・L・ホールの謝罪と奪われた財産の補償を訴え放送される。警察やFBIの包囲網が迫る中、全米中の注目を集めるトニーを庶民の代弁者として英雄視する声も増え始め…。
キャスト
トニー・キリシスに『ザ・クロウ』のビル・スカルスガルド、リチャード(ディック)・ホールに『エルヴィス』のデイカー・モンゴメリー、グレイブル刑事に『アンジェントルメン』のケイリー・エルウィズ、DJフレッド・テンプルに『Michael/マイケル』のコールマン・ドミンゴ、テレビ局レポーターにマイハラ、M・L・ホールに『殺し屋のプロット』のアル・パチーノなど。
監督はガス・ヴァン・サント、音楽はダニー・エルフマン。
ネタバレ感想
1977年にアメリカのインディアナポリスで実際に起きた立てこもり事件が題材。自分の首と人質の首をショットガンとワイヤーで固定、ヘタに動けば自動発砲される“デッドマンズ・ワイヤー”という仕掛けで人質を取り、63時間自宅に立てこもった。
ショッピングセンターを開発する目的で土地を購入する際のローンを巡り、キリシスは融資元であるメリディアン・モーゲージ社が、彼の事業計画を意図的に妨害しローンを焦げ付かせ、不当に土地を奪おうとしていると固く信じていたことが発端。
要求は、不当に奪われた分の補償として500万ドル、今回の誘拐事件に関する一切の刑事免責、そしてメリディアン・モーゲージ社の社長であるM・L・ホールからの公的な謝罪。
一触即発なシチュエーションのはずなのだけれど、トニーが楽観的でよく喋るからか、なんとなく牧歌的でハラハラ度は低め。今だったらすぐ撃たれるとか突撃されるとかしそうなのに、70年代は警察側も無理はしないし、FBIはプロファイリングもどきから始める。
今まで寡黙な役が多い印象だったけれど、ビル・スカルスガルドが良い味を出しているし、人質役のデイカー・モンゴメリーのやるせない感じがとても良い。
最近観た映画のすべてに出演しているような、引っ張りだこのコールマン・ドミンゴは声が良くてDJ役もまたハマる。この役はモデルはいるけれど映画オリジナルらしい。
画面のざらざらっとしたような質感だったり、ところどころ当時の映像を流しているような個所も。
場面にあった選曲も良くて、思わずにんまり( ̄∀ ̄)
終盤、今度こそ射殺されるかと身構えたけれど、平和に解決して安心。無罪放免されると本気で信じるところが楽観的を通りこしておめでたい。
最後に実際の映像が流れるけれど、人質となったディックがトラウマからアルコール依存症になったのが気の毒で。あのろくでなし親父が人質だったら、世間ももっと応援したかもね。



コメント
この映画、実話の再現なのかと思ってたら、キーマンに見えたDJが創作だったりして、何だかどう受け止めたらいいのかわからないという後味になってしまいました。現代にリンクする部分もあまり感じられないのは、主人公の動機が義憤にあったとしても、やってることが極端すぎて、私には共感のかけらもできなかったからかもしれません。むしろ、これを無罪に持って行った裁判や世間の経緯を見たかったと思っちゃいました。
einhornさん
正直、なぜそれほど怒っているのかが分かりにくくて。
事件を起こす前にはそれなりに準備をしていたのが、要求が通らなかった時どうするのかも考えている様子もなくて。
サスペンスというよりドラマだったのかと思いますが、それにしては説明不足で。
ただセンセーショナルな事件があったんですよっていう報告の映画みたいな感じでしたね。