赦しはあるけど愛はない 『フランケンシュタイン』(ネタバレ感想)

映画の旅

過去に何度も映像化されているゴシックホラーの定番「フランケンシュタイン」。
さて、ギレルモ・デル・トロ監督の解釈は?

Frankenstein 2025年米 149分 PG12

ストーリー

母を亡くして以来死者の再生に執着する天才科学者ヴィクター・フランケンシュタインは、武器商人ハインリヒ・ハーランダーの援助を受け、死体を蘇生させることにより新たな生命を造り出す。ようやくヴィクターは、自分が行ったことの重大さに気づき、自ら造り出した怪物を葬ろうとするが…。

キャスト

ヴィクター・フランケンシュタインに『DUNE デューン 砂の惑星』のオスカー・アイザック、怪物に『プリシラ』のジェイコブ・エロルディ、エリザベスに『MaXXXine マキシーン』のミア・ゴス、ハインリヒ・ハーランダーに『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のクリストフ・ヴァルツ、ヴィクターの弟ウィリアムに『西部戦線異状なし』のフェリックス・カメラー、父親にチャールズ・ダンス、アンデルセン船長にマッツの兄ちゃんラース・ミケルセンなど。
監督は『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロ

ネタバレ感想

メアリー・シェリーの古典小説「フランケンシュタイン」の新解釈ということだけど、ストーリーの筋立ては大体原作どおり。
北極探査船の船長に助けられたヴィクターが語るヴィクター視点の回想パートと、ヴィクターを取り戻しにきた怪物が語る怪物視点の回想パートという形で進みます。
(念の為、フランケンシュタインは怪物の名前ではなく怪物を造りだしたヴィクターの名前)

ギレルモ・デル・トロ監督だけに映像がやはり凝っていて、北極の船内、ヴィクターが幼少期を過ごした館、怪物を造り出した塔、怪物が逃げていた森の中の小屋など、それぞれ色彩もテイストも全く違っていて、その世界に没入できます。
怪物を造っていた塔もデザインがとても凝っていて、ただの実験室ではない美しさなのに、切り刻んだ死体が転がっているという異様さ。継ぎ接ぎシーンが結構長くて、しかもリアルなのにはちょっと閉口しましたが。( ̄▼ ̄;アハッ・・・・

その映像に負けないオスカー・アイザックの濃さ( ̄∇ ̄)ニヤッ 、理解されたい認められたい承認欲求が強いヴィクター、反して怪物は脱色された皮膚が白っぽく無垢で無欲で死を望んでいる儚さが。ジェイコブ・エロルディ他の作品も観たいですね。ミア・ゴスもゴシックな雰囲気が合ってる気がしましたが、存在感が中途半端だった気が。

取り憑かれた様に怪物を造ったものの、いざ成功した後のことは一切考えていなかったヴィクターは、怪物を見て初めて事の重大さに気づきます。そして不都合な現実から目を逸らし怪物から逃げます。怪物は死ねないことに憤り伴侶を求めます。怪物のヴィクターに対する感情は怒り。
NTLiveでベネディクト・カンバーバッチが演じた『フランケンシュタイン』(監督はダニー・ボイル)の怪物は、ヴィクターに対して父(母)親からの愛を求めていたので、やはり解釈は違っていますね。エリザベスを殺された復讐心で追ってきたヴィクターに、初めて親に構ってもらえた子どものように喜んでいて、親に対する愛を感じました。
この映画では二人が互いに許すことで、それぞれが旅立っていける大人な結末。だけど愛情はない。
そして、傷が消えているような怪物の顔のラストが意味深でしたね。

コメント

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