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『西部戦線異状なし 完全版』(1930年)

映画の旅

アカデミー作品賞・監督賞を受賞した反戦映画の古典の名作をノーカット版で観ました。

All Quiet on the Western Front 1930年米 136分

ストーリー

第1次世界大戦がはじまってまもないドイツのとある町。群衆の歓声に送られて、戦場へ向かう大部隊が進軍してゆく中、学校の教室では老教師が、生徒に愛国心を煽っていた。情熱に駆り立てられた高校生ポールと仲間たちは、ただちに出征志願する。理不尽と暴力だけの訓練を経て前線に送られた彼らは、飢え、轟音、容赦のない死にさらされる。

キャスト

ポールに『オーメン2/ダミアン』のリュー・エヤーズ、カチンスキーにルイス・ウォルハイム、ジャーデンにスリム・サマーヴィル、ケメリックにベン・アレクサンダー、ムラーにラッセル・グリーソン、アルバートにウィリアム・ベイクウェル、ベームにウォルター・ブラウン・ロジャース、ヒンメルストスにジョン・レイ、ポールの母にベリル・マーサー、ポールの妹にヨーラ・ダヴリル、カントレックにアーノルド・ルーシーなど。
監督は『オーシャンと十一人の仲間』のルイス・マイルストン。

感想

ドイツの小説家エリッヒ・マリア・レマルクの同名小説の映画化。
第一次世界大戦の西部戦線を、ドイツ兵ポールの視点で描いていますが、アメリカ映画でアメリカの俳優で英語です。

もっと陰鬱な映画かと思っていたら、開戦に沸く高揚感に満ちた出だしで意外でした。教師が若い生徒たちに熱心に名誉や愛国心を焚きつけ、勢いでクラス全員が兵士に志願します。
訓練では元郵便配達人の予備兵に嫌がらせされますが、まだ実際の戦地の厳しさなど少しも分かっていません。いざ出兵すると前線には食料がない。最初の戦闘であっけなくクラスメイトが亡くなるなど、一気に厳しい現実にさらされます。

次々と友人が負傷したり死亡していく中、傷を負ったけれど回復し休暇をもらって故郷へ戻ったポールは、数ヶ月で終わると思われていた戦争が何年も続いているのに、老人たちが現実を見ず威勢のいいことばかり言っていたり、母校では老教師が自分たちの時と同じように若者を煽っていたりするのを見て、いたたまれなくなり戦地へ戻ります。どんな時代でもどこの国でも、戦争を始める理由は儲けたいだけ、しかも戦争に行かない奴が始めるのは変わりませんね。

ポールの従軍の様子が、それほど悲惨には描かれていないため、静かな最後が余計胸に響きます。
アメリカでドイツの小説を映画化したこと、オスカーを受賞したことにも多くの人たちの反戦の意思を感じました。

2022年作のドイツ版も見なければ!

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