隠蔽や改ざんへの警笛 『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』(ネタバレ感想)

隠蔽や改ざんへの警笛 『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』(ネタバレ感想)

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』を観ました。
今度買うフライパンはテフロン加工ではなく鉄にしようと思いましたね。

 

Dark Waters 2019年米 126分

 

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ストーリー

1998年、オハイオ州の名門タフト法律事務所のパートナーとなった矢先、企業弁護士のロブ・ビロットのもとに、ウェストバージニア州パーカーズバーグに住むウィルバー・テナントが調査依頼に訪れる。彼の農場が巨大企業デュポン社の工場から出た廃棄物によって汚染され、190頭もの牛が死んだというのだった。最初は断ろうとしたビロットだったが、現地の惨状を目の当たりにして原因を突き止める必要性を痛感する。やがてデュポン社に請求した大量の資料と格闘する中で、危険有害物質だと分かっていながら隠蔽をしていた事実に突き当たる。

キャスト

ロブ・ビロットにマーク・ラファロ、ニューヨークタイムズの記事を読み、映画化すべく製作に乗り出したそう。
妻のサラにアン・ハサウェイ、ロブの上司トム・タープにティム・ロビンス、ウィルバー・テナントに『ジョーカー』のビル・キャンプ、デュポン社のフィル・ドネリーに『タイタニック』のヴィクター・ガーバー、ハリー・ディーツラーにビル・プルマンなど。
監督は『キャロル』『ワンダーストラック』のトッド・ヘインズ

ネタバレ感想

映画を見ながら、そういえばテフロンが身体に良くないって聞いたことがあった様な〜と思い出しました。
とは言いつつ、便利なのでまだテフロン加工のフライパンなど使っていますが、
この映画を観ると、定められた使い方なら大丈夫と言われても、本当かなと疑ってしまいますね。

ロブ・ビロット弁護士が、巨大企業デュポン社がフライパンなどのテフロン加工のテフロンを製造する際の廃棄物に発癌性があることを分かっていて放置していた事を突き止めますが、長い戦いの始まりに過ぎませんでした。
廃棄物による地下水汚染によって地域住民に深刻な健康被害が出ている事を証明するため、住民から血液サンプルを取り、因果関係を調査する事へこぎつけますが、その調査の結果が出るまでに7年も掛かり、その間に亡くなる人も。
住民の雇用主であるデュポン社を訴えたことによって、原告やロブへの風当たりも強く、命の危険を感じる事態も。
会社からも家族からも孤立し、心身の疲労からロブは身体を壊してしまいます。
ようやく因果関係が証明されたと思えば、デュポン側から約束を保護にされ、1件1件訴訟をする羽目に。
不屈の闘志で3535件の訴訟を起こし、6億7070万ドルの和解金を払わせています。
エンドクレジットで、ロブ・ビロット本人なども出演しているのが分かります。

結局、テフロン加工自体は健康被害を招かないということになっていますが、ロブが訴訟するまで環境庁も国も有害を認めておらず、国などを当てにせず、自分の身は自分で守るしかないのかな〜という思いです。
今の新型コロナウィルスの対応を見ていても、そんな感じですよね〜。

「真実に光をあてるために、どれだけのものを失う覚悟があるのか」というキャッチコピーのとおり、勝利のカタルシスなどなく、真実に率直に向き合った映画でした。

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