辺境の地の闇 『ウインド・リバー』(ネタバレ感想)

辺境の地の闇 『ウインド・リバー』(ネタバレ感想)

現在劇場公開中のテイラー・シェリダン監督作『モンタナの目撃者』はまだ未見なのですが、同監督の『ウィンド・リバー』を劇場公開時スルーしたことを思い出して、Netflixにあったので見ました。

WIND RIVER 2017年米 107分

 

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ストーリー

ワイオミング州ウインド・リバー・インディアン居留地。FWS(合衆国魚類野生生物局)のハンター、コリーは雪山に囲まれた雪原の中で、ネイティブ・アメリカンの少女ナタリーの死体を発見した。
BIA(インディアン部族警察)署長のベンは、FBIに捜査を依頼するが、派遣されたのは新人捜査官のジェーン1人。
直接の死因は冷気を吸ったことによる肺の出血と窒息死だったが、なぜ彼女が死ななければならなかったのか捜査を進めて行くと、極寒の中10キロもの距離を裸足で逃げていたことが分かり、さらにナタリーの恋人マットの遺体が森の中で見つかった。

キャスト

ハンターのコリーにジェレミー・レナー、FBIのジェーンにエリザベス・オルセン、ホークアイとワンダじゃんと思うマーベル脳( ̄∀ ̄*)イヒッ
他、グレアム・グリーン、ギル・バーミンガム、ジョン・バーンサル、ケルシー・アスビルなど。
監督はテイラー・シェリダン

ネタバレ感想

山羊の群れを狙うピューマを仕留めるハンターのコリー。生きる為に家畜を襲うピューマに、大事な家畜を殺されない為にハンターにピューマ退治を頼む人間、どちらも生活の為だけれど、既に不穏な空気が漂ってます。

若い女性が死に、捜査にやって来たFBIも若い女性ジェーン。女性蔑視なつもりはないけど、自然厳しい土地の捜査には頼りない気が。しかもフロリダ出身で土地勘も季節感も無し。
ジェーンの目を通して、山へ追いやられた先住民の生活の厳しさ、彼らが向かわされているものを我々も見ることになります。ハンターのコリーもまた娘を亡くしていて、ナタリーの父親に制裁を約束します。

捜査を進めていく中で、次第に分かってくる真相。その真相も酷い。
寒さがより孤独感を強めるのか、閉じ込められる閉塞感があるのか、恐怖心が暴力を産む。
張り詰めた緊張で一触即発の中、突如始まる銃撃戦の迫力。怖いです。
充分な援軍も無く山奥での正義のあり方は生きるか死ぬかでした。

最後生き残ったジェーンが、−30℃の中肺が爆発するまで10kmも逃げ続けたナタリーの気持ちを理解し泣くシーンで終わります。

辺境の地の闇、ジェニファー・ローレンスの『ウインターズ・ボーン』(2010)を思い出しました。

 

 

 

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