お見事! 『スパイの妻<劇場版>』(ネタバレ感想)

お見事! 『スパイの妻<劇場版>』(ネタバレ感想)

第77回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞したと話題の『スパイの妻』がようやく公開になったため、一月半ぶりに劇場鑑賞してきました。
タイトルになんで<劇場版>って付いているんだろうと思ったら、NHKBS8Kで放送されたドラマだったんですね。知りませんでした。( ̄∀ ̄*)イヒッ

WIFE OF A SPY 2020年日本 115分

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ストーリー

1940年の神戸、貿易会社を営む福原優作のもとへ憲兵の分隊長となった津森が訪ねてくる。
妻聡子の幼馴染みの津森は、優作の取引相手のイギリス人をスパイ容疑で逮捕した事を伝える。
戦争が起こる事を察した優作は、物資の調達に甥の文雄と共に満州へ旅立ち、数週間後に帰国。
しばらく経った後、津森から呼び出された聡子は、優作が満州から連れ帰った草壁弘子という女性が何者かに殺害された事を知らされる。

キャスト

福原聡子に蒼井優、福原優作に高橋一生、憲兵の津森泰治に東出昌大、優作の甥の竹下文雄に坂東龍汰、お手伝いの駒子に恒松祐里、執事の金村にみのすけ、草壁弘子に玄理、野崎医師に笹野高史など。
監督は黒沢清

ネタバレ感想

”スパイの妻”というタイトルだけど、実は優作はスパイという訳ではないんですよね。
スパイというと国の諜報員だけれど、優作がたまたま満洲で見た事が機密事項で、その機密は他国にバラされると日本が窮地に陥るというもの。優作は正義感から機密をアメリカに渡し、アメリカの介入によって戦争を止めたいと考えています。

スパイの話ではないと書きましたが、上質なミステリー・サスペンス。
貿易商の妻として何不自由なく暮らし、夫を愛し世間知らずにも見えた聡子が、草壁弘子の事を聞き嫉妬に駆られ夫に対して疑惑を持ちます。
優作が満州で手に入れた書類を盗み出し津森に渡した時には、優作を見限ったのかと思いました。
実は優作を守るためだったのですが、聡子の取った行動から彼女に対しても疑惑が生まれます。
自分は疑り深いのか、本当に優作への愛からなのか、それとも別の計画があるのかと、ちょっと勘ぐっちゃいました。( ̄▼ ̄;アハッ・・・・

そして最後のどんでん返し。
アメリカに亡命するために別航路で出航し上海で落ち合う計画で、お嬢様がバケツに用を足せるの〜と心配になった途端、聡子は密行がバレて捕まりますが、あのテープの中身はちょっと予想できちゃったな〜。( ̄∀ ̄*)イヒッ
優作は聡子を危険な目には合わせたくないためにタレ込んだのでしょう。
あれでは聡子に嫌疑はかからないし、まさにお見事でした。

最後、優作の死亡診断書が疑わしい事と、聡子がアメリカに渡った事のテロップが出て終わりますが、アメリカで再会してまた2人で仲良く暮らしてると良いなぁという余韻と共に、アメリカは広いぞ〜、本当に見つけられるのか〜とも思っちゃいました。( ̄∀ ̄*)イヒッ

 


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