ストーリーも演技も見応え十分 『クーリエ:最高機密の運び屋』(ネタバレ感想)

ストーリーも演技も見応え十分 『クーリエ:最高機密の運び屋』(ネタバレ感想)

スリリングなスパイ物でありつつ、感動のドラマでもある『クーリエ:最高機密の運び屋』、先週の木曜から公開しているのをようやく観ました。しみじみ良かったです。お薦めです!ぜひ!

The Courier 2020年英/米 112分

 

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ストーリー

1960年、CIAはGRU(ソ連軍参謀本部情報総局)の高官ペンコフスキーから情報の提供を持ちかけられるが、人材不足で英国MI6に協力を持ちかける。彼らがクーリエ(運び屋)として目を付けたのが、東欧へも出かけている英国人セールスマンのグレヴィル・ウィンだった。何も分からないままモスクワへ出掛けペンコフスキーと会うウィル。
継続して会ううちに友情を育むペンコフスキーとウィルだったが、1962年10月、アメリカとソ連の対立は頂点に達し、キューバ危機が勃発する。

キャスト

グレヴィル・ウィンにベネディクト・カンバーバッチ、彼の制作会社サニーマーチが制作に加わっているので、制作総指揮にも名を連ねています。
オレグ・ペンコフスキーに『ブリッジ・オブ・スパイ』のメラーブ・ニニッゼ、ウィンの妻シーラに『ジュディ 虹の彼方に』のジェシー・バックリー、CIAのエミリーにレイチェル・本物のスパイだったジョン・ル・カレの原作小説の映画化ブロズナハン、MI6のディッキーにアンガス・ライトなど。
監督は『嘆きの王冠 〜ホロウ・クラウン〜』のドミニク・クック

ネタバレ感想

本物のスパイだったジョン・ル・カレの小説の映画化裏切りのサーカス』でスパイを演じたベネディクトですが、今回は実在の人物、グレヴィル・ウィンを演じます。グレヴィルはスパイではなく、情報を運ぶクーリエ(運び屋)。
しかも情報機関の人間ではなく、一介のセールスマンだったのがユニークですが、だからこそ2年も続けられたのかも。

口八丁と飲みニケーションで稼いでいたセールスマンが、スパイもどきの運び屋となり、その両方の特技がスパイ稼業には必要だったというユーモアも挟む前半。ペンコフスキーがあっさり英国に来て、ホテルの部屋でエミリーやディッキーに会ってしまうのが新鮮でした。

ベネディクトは、置かれた状況に翻弄され、プレッシャーに押しつぶされそうになり、家庭との板挟みに悩み、ペンコフスキーを救うために命を賭けて奔走する姿を、細やかな演技で表現。10kg減は流石にキツかった様。
ペンコフスキー役のメラーブ・ニニッゼもとても良くて、観ている自分もグレヴィルに共感し、なんとかしてペンコフスキーを救いたいと途中から祈るような気持ちでした。

終盤は、捕まってしまったグレヴィルが、劣悪な環境の中で耐えて生きて帰れるのか心配で。
お互いに口を割らずに監獄で再会したシーン、グレヴィルがペンコフスキーに言う「君はやり遂げたんだ」に、涙けてしまいました。
やっと自宅に帰れたグレンヴィルが、亡き友への思いに涙ぐむシーン、家族のため友のために命を賭けた2人でした。
見応えたっぷりです。ぜひ!


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